どんがらがん(アヴラム・デイヴィッドスン)を読んだ印象は?推奨したいのはどんな人?

 

みなさん、「どんがらがん」という小説を知っていますか?

まずはそのタイトルを見て、どんな作品なんだろう?と思ってしまいますね。

異能の作家デイヴィッドスンの代表的な16編を収録した短編集で、一つ一つが奇想天外で、まるで奇想コレクションのために特別に書き下ろされたかのような作品ばかりです。

この作品集は、その強烈な印象で読者を魅了し、デイヴィッドスン独自の世界観を存分に味わうことができます。

そこで今回は、どんがらがん(アヴラム・デイヴィッドスン)を読んだ印象や推奨したい人、さらにアヴラム・デイヴィッドスンのプロフィールや経歴についてもご紹介したいと思います。

どんがらがん(アヴラム・デイヴィッドスン)を読んだ印象は?

早速、読んだ印象からお伝えしたいと思います!

この作品は、「鍋とかまどと庭草くらいしかない土地」と揶揄されるエルヴァー州国から幕開け、大昔の物語かと思いきやここははるか遠い未来の宇宙の果て。

用心深い足取りでやって来たのはこの辺りでは見かけない顔の若者マリアン、幾多の修羅場をくぐり抜けてきた旅人といったところでしょう。

とにかく食糧事情が厳しいのは「どんがらがん」一党のせい、恐るべき破壊兵器を所持していて一帯で恐喝・略奪を繰り返しているから。

巨大な弾丸を途方もない遠距離へと飛ばす大砲を前にしては、一般市民であれば逆らう気力さえ湧いてきませんよね。

この小説が「F&SF」という雑誌に発表されたのは1966年のこと、米ソの冷戦が激しくてまさに核戦争勃発の危機を迎えていたところ。

当時の緊迫した雰囲気がリアルに伝わってくる一方で、半世紀以上たった現在のほうが社会情勢が悪化していることに暗澹としてしまいます。

誰しもがあきらめムードのなか、ただひとり名乗りを挙げたのがマリアン。

あの一党をこの地からあっという間に追っ払う、秘策を思い付いたというのだから頼もしいじゃないですか。

どんがらがんが抱えているウイークポイント、その盲点に驚きつついかにしてエルヴァーに平和を取り戻すのかワクワクしながら一気読みしてしました。

アヴラム・デイヴィッドスンのプロフィールや経歴は?

ここでは、アヴラム・デイヴィッドスンのプロフィールや経歴をご紹介します。

アヴラム・デイヴィッドスンのプロフィール

  • 名前:アヴラム・デイヴィッドスン
  • 本名:アヴラム・ジェイムズ・デイヴィッドスン
  • 年齢:享年70歳
  • 生年月日:1923年4月23日
  • 出身:ニューヨーク州ヨンカーズ 

アヴラム・デイヴィッドスンの経歴

正統派のユダヤ一家に生まれたアヴラム、イスラエル建国運動に加わるために20代でパレスチナへ。

農業技術者として働くかたわら執筆活動開始、デビューは1954年「恋人の名前はジェロ」ですが商業的には成功していません。

母国アメリカに帰ったあとはSF雑誌の編集長に就任、特筆すべきは星新一のショートショート「ボッコちゃん」の英訳を掲載したこと。

1976年に来日した際に天理教に入信、ワシントンの老人ホームで余生を過ごし遺体は荼毘にふされた後で太平洋に散骨されました。

アヴラム・デイヴィッドスンの主な代表作品は?

「どんがらがん」以外の主な代表作品をご紹介します。

  • エステルハージ博士の事件簿
  • 不死鳥と鏡
  • 10月3日の目撃者

どれも興味深い作品ばかりです。

ぜひ、一度手に取って読んだ見てほしいと思います。

どんがらがん(アヴラム・デイヴィッドスン)を推奨したい人はどんな人?

最後に、「どんがらがん」を推奨したい人はどんな人なのか書いていきたいと思います。

バーベキューを趣味にしている皆さん、ソロキャンプがお好きな方は是非とも読んでみてください。

冒頭で主人公マリアンが肩から担いでいるのは大きな布の袋、その中からは何やら赤いものがポタポタ… 近未来ほ無法地帯を身体ひとつで渡り歩いているだけに、とんでもないことをやらかしてきたのかと思いきや。

中身はうさぎのお肉だと分かってひと安心、にんじん・玉葱にローリエまで加えて手早く朝食のスープを作ってしまうんですから。

いい匂いに誘われたのかいつの間にやら遠巻きに眺めているのは、痩せほそったローナンズという名前のおじいさん。

「幸運に恵まれますように」を信条とするマリアン、当然のようにシチューを分け与えた上に自分のパンまで差し出すアウトドアの心得を学べますよ。

まとめ

今回は、どんがらがん(アヴラム・デイヴィッドスン)についてご紹介しました。

編訳者の深い愛情が感じられる、今では忘れ去られがちな作家の選りすぐりの短編集に、納得の一言です。

確かに、これらの作品は半世紀を超える時間が経過していますが、その鋭い洞察力や洗練されたユーモアは今読んでも十分に楽しめますよ。

ぜひ、一度読んでみてもらいたいですね。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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